登別市富岸(とんけし)町の「富岸川右岸遺跡」(約五千三百平方メートル)で発見された縄文時代の狩猟用落とし穴が、道内の遺跡の中で最高の密度で集中していることが登別市教委の調査で分かった。道教委は「未解明だった西胆振の縄文人の食料獲得方法を知る貴重な史料」としている。調査結果は十五日、札幌で開かれる遺跡調査報告会(北海道考古学会主催)で発表される。
富岸川右岸遺跡は六月、宅地整備予定地での試掘調査で見つかり、同市教委が十月から今月七日まで発掘調査した。落とし穴は縄文時代中期から後期(約三千七百-四千年前)のもので、河岸段丘上に計三百七十九基あった。形は細長く、大きさは縦一-四メートル、横十-七十センチ。深さは約一メートル。シカを追い込んで落としたとみられる。
道教委によると、これまで報告された道内の遺跡での最高密度は「浜厚真3遺跡」(胆振管内厚真町)で、千平方メートル当たり四十九基。登別の遺跡は同七十一基となり、これを大きく上回る。同市教委は、周辺で見つかった土器の年代から、落とし穴は一度に三百七十九基が使われたのではなく、二百-三百年の間に少しずつ使用されたとみている。
道教委文化財調査グループの藤原秀樹主任によると、登別、伊達など西胆振地域では、縄文人の集落が発見されているが、落とし穴の発見例は少なく、狩猟方法が解明されていない「空白地帯」という。菅野修広・同市教委学芸員(30)は「大規模な集落が近くにあった可能性や、複数の集落が利用していた可能性もある」と分析している。
(北海道新聞より引用)
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